英語学習とワーキングメモリの関係(名詞に冠詞が必要なワケ)

ワーキングメモリと英語教育に関する研究

英語とワーキングメモリの研究に関する資料をインターネットで調べてみました。

語学習得とワーキングメモリは深いかかわりがあり、日本人が英語の習得を困難にしている要素として挙げられている例は多数ありました。

しかし、その本当の意味・メカニズムを理解している研究者はいないようです。英語は、日本語と比べてワーキングメモリの要求量が極端に少ない言語です。そのことに触れている資料は見つかりませんでした。

日本語は、イメージを抽象化する言語であるのに対し、英語はイメージを具体化していく言語です。イメージを具体化することによってワーキングメモリの消費を極限まで抑えることができます。英語はイメージを具体化することにすべての労力を払っていると言っても過言ではありません。

具体例1(冠詞)

「英語はイメージを具体化させている」のがわかりやすい例を示すと、名詞の前につく冠詞です。英語では、名詞の前にthe, a(もしくは複数形)などの冠詞や、this, my, his, herなど、名詞を限定する単語がほぼ必ずつきます。冠詞をつける理由は、冠詞がなければ、脳の中にはっきりとしたイメージが作れないためです。

一方の日本語は、抽象化したまま扱う言語なので必ずしも冠詞は必要ありません。必要がないどころか、ワーキングメモリを余分に使ってしまうため邪魔になります。日本人にとって冠詞の扱いが難しいと感じるのはこのことが原因です。「冠詞をつけなければいけない」と説明されても、脳が本能的に拒否するため、冠詞の処理に困ってしまうのです。

英語は、「ワーキングメモリを節約するために、冠詞を使ってイメージを具体化」する。これに対して日本語の場合、「冠詞のような余分な情報を排除して抽象化」することでワーキングメモリを節約しています。

ワーキングメモリを省略するという同じ目的のために、まったく逆の手法をとっている点は非常に興味深いです。日本人が英語に拒否反応を示すのは、脳内で無意識のうちに行っているプロセスが逆だからです。

日本人:なんで冠詞なんて余分なものつけるんだよ!

英語圏の人:日本語には冠詞がないからイメージできなくて混乱する、、、

となるワケです。

具体例2(主語の省略)

英語で主語が省略されることは稀です。英語の授業でも教えられることが多いと思いますが、その理由までは教えてくれません。おそらく、研究論文を探してもみつからないのではないでしょうか。

英語で主語が省略されない理由はただ一つ。主語がないと、イメージの土台が作れないから。イメージの土台をはっきりと作り上げることでワーキングメモリの消費を抑えているのです。

これに対して日本語は、主語を省略することによってワーキングメモリを節約しようとしています。抽象化が基本の言語ならではの手法です。

英語は、「イメージを具体化することでコミュニケーションを図る」のに対し、日本語は「イメージを抽象化し、共感することでコミュニケーションを行う」言葉です。

日本人:私は、私はとか自己主張の強いヤツ。くどい!

英語圏の人:主語なしでどうやってイメージするの?

となるわけです。

国際言語としての英語、ローカル言語としての日本語の価値

日本語と英語、どちらが国際言語として有利かは言うまでもありません。価値観・文化的背景が異なる国の人々が、「共感」を利用してコミュニケーションを行うのは無理があります。イメージを具体化してコミュニケーションを図る英語の方が圧勝です。

もちろん、日本語が劣った言語というわけではありません。日本語には他の言語にない繊細な表現力があります。例えば、俳句は省略・共感力を最大限に極め、芸術レベルまで高めたものであると言えます。

また、日々新しい言葉が生まれ、刻々と変わっていく(若者言葉、ギャル語など)というのも日本語の特徴の一つといえます。言葉が頻繁に変化することができるのは、省略されやすい日本語の特徴と、日本人の「共感力」によるところが大きいと考えられます。

日本語は、日本という閉鎖的な島国でしか発達しえなかった言葉(方言・若者言葉を含む)であり、世界的に見ても大変貴重なものです。

永田式英語とワーキングメモリ

既存の英語教育と永田式英語で最も異なる点は、「イメージの具体化」のトレーニングを最優先で行うことです。単なる文法的な違いとして英語を学んでいたのでは、ワーキングメモリがすぐに溢れてしまい、英語の学習どころではなくなります。

例えば、関係代名詞を例に挙げてみます。「主語+動詞+目的語」が骨組みだとすると、関係代名詞節は外側の飾り付けの部分になります。英語では、ワーキングメモリの消費を抑えるために、「骨格を作ったあとに飾り付けをしていく」という語順になっています。日本語はイメージを具体化する必要がなく、外側から飾り付けをしていくため、英語とは逆の語順になります。

関係代名詞の文を、文法書に書いてあるような解釈で日本語に訳してしまうと、すぐにワーキングメモリが溢れてしまいます。正しく翻訳できたとしても脳が対応できていないため、非常に難解なものに感じてしまいます。簡単な関係代名詞の文なら理解できたとしても、英字新聞や洋書に出てくるような複雑(に見える)文は完全にお手上げです。

永田式英語では、文法学習より先にイメージの具体化を徹底的に行い、ワーキングメモリを溢れさせない方法を脳に覚えてもらいます。文法の表面的な理解よりも大切なものなのです。

人間には元来、「言葉を習得する」という本能があります。英語を学ぶ際、「ワーキングメモリを溢れさせないようにする」だけで、この本能を目覚めさせ、誰もが効率よく確実に英語を習得することができるようになります。

実際に、私の生徒さんは細かい文法のルールを教えなくても、イメージの作り方を教えるだけで簡単な英語ならスラスラ読めるようになります。しかも、数時間のトレーニングのみというあり得ないほど短期間でです。洋書に出てくるような関係代名詞がいくつも重なったような長い文も、読むだけならスラスラ読めます。

本格的に英語を学ぶのは簡単ではありませんが、永田式英語永田式直読直解法を習得すれば、英語学習に対する難易度、苦手意識は大幅に引き下げることができます。

 

センター試験の文法対策

Facebookでお世話になっている島根県立松江高等学校の緒方孝先生の記事を紹介します。

達セミに学ぶ 英語学習のヒント 第103回 センター試験の文法・語法問題を解くには、選択式の問題演習より、4技能の向上に寄与する中身のある文法学習こそがカギである

センター試験の英語はテストとしてはよくできています。しかし、テストそのものは悪くないのですが、勉強の方法を誤る可能性が高くなり、結果としてと文法力、英語力が身に付かなくなってしまいます。

選択問題の問題集を解きまくるのは、高校生の貴重な学習時間を無駄に使うことになります。この勉強方法では英語力が伸びません。まずは基本事項をしっかりと抑え、『実際に英語を声に出して読む、書く、例文を覚える』という英語学習の基本をしっかりとやりましょう。

私が受験生の時も、並び替えや選択問題の問題集はやっていません。学校で買わされ、定期テストの出題範囲になっていたので、周囲の高校生はやり込んでいましたが、あまりいい結果は出ていません。出題範囲が決まっている定期テストには強くなりますが、英語力が伸びていないのであとで大きなツケを払わされることになります。

文法が苦手な生徒さんほど問題集のやり込みに走りやすいですが、かえって遠回りになります。永田式直読直解法で文意がつかめるようになってきたら、文法のテキストで基本事項を確認し、テキストに載っている例文を一つ一つ暗記・暗唱していきましょう。

コツをつかめば、例文を覚えるのはそれほど難しくありません。例文を覚える時には、知識的に詰め込むのではなく、反射的に英文が出てくるようにトレーニングします。悩みながら覚えると時間がかかるだけでなく、言語中枢以外の部分が使われてしまうため学習効率が悪くなります。センター試験は時間との勝負なので、反射的に英語が出てくる訓練が必要となります。(もちろん、仕上げにセンター対策問題集をやり込む必要はあります。)

英語を学習するためのポイントは、脳の中の言語中枢をいかに刺激するかにかかっています。一見すると遠回りに思える方法でも、「言葉を覚える本能」を目覚めさせることができれば短時間で効率よく習得できるようになります。

 

永田式英語の売り込み

塾長のお使いで私学の学校説明会に営業に行ってきました。ついでに、永田式英語の売り込みにも行ってきました。英語科の先生とお話をする機会は少なかったのですが、何人かの先生には興味を持っていただくことができました。

驚いたのは、永田式英語のブログページを見たことがあるという先生がいらっしゃいました。最近はサイトへのアクセス数も増えてきたので、少しずつ知名度が上がってきたのかもしれません。

塾で細々とやっていてもなかなか広まらないので、機会があればまた営業に行ってきます。

ちなみに、埼玉県には「確約制度」という裏メニュー(表向きは存在しない)があります。北辰テストという民間のテストの成績で合格が決まってしまいます。入試本番での一発勝負が当たり前だと思っていた私にとってはかなりの衝撃でした。私立単願で確約を取ってしまった生徒さんは、中3の冬にほとんど勉強をしません。彼らは、高校に入ってから落ちこぼれることは目に見えています。

ということで、私立の学校説明会は、確約をもらうために集まってきた生徒さんたちでかなりの盛況でした。

高校生の英単語指導記録2

前回の記事、高校生の英単語指導記録1

夏休み中は夏期講習で忙しかったため、久しぶりの更新になります。

これまでの指導の流れ

5月 中学英単語(キクタン中学)

6月 中学英文法

7月 洋書の大量読み

8月 キクタンbasic4000

9月(予定) 英検準2級、2級の指導

単語の集中学習

夏休みの間に「キクタンbasic4000」をすべて覚えることができました。

指導記録といいつつ、生徒さんが自力ですべて覚えたので特に書くことはありません。

敢えて書くとするならば、、、、夏休み前半はあまり進んでいなかったけれど、残り2週間で一気に覚えたようです。最初から本気で覚えれば最初の2週間で覚えられたと思いますが、夏休み中の成果としては十分です。

理系の高校3年生二人の指導

夏休み中、他にも高校生の指導を行いました。

他教科の勉強も忙しく、単語の勉強だけという訳にはいきませんでしたが、それぞれキクタンbasic4000、キクタンadvance6000を一冊仕上げることができました。キクタンbasec4000を仕上げた生徒さんには引き続きadvance6000にも取り組んでもらいます。

キクタンbasic4000をキッチリ覚えるだけで高校英語はかなり読みやすくなります。本人曰く、「今までとは別世界」とのこと。以前は英語が読めている「つもり」だったとのこと。

語彙力不足はなかなか自覚できないものなのかもしれません。『わからない単語の意味を推測する練習』をさせる先生をよく見かけますが、生徒さんの語彙力不足を助長するだけです。単語は覚えなくてもいいと言っているようなものです。

もちろん、英語を学習する上で単語の意味を類推する能力も必要になってきますが、高校英語のレベルでは不要です。1~2か月あれば高校英語の英単語はすべて覚えきることができます。

あまり進まなかった生徒さん

直接指導をしていませんが、単語の覚え方を教えてやってもらった生徒さんもいました。高校2年で部活が忙しく、勉強時間があまりとれなかった生徒さんです。

進みが遅いのでやり方をチェックしたところ、我流の覚え方になっていました。「永田式最速英単語記憶法」は完成度が高く、我流が入ると極端に効率が悪くなります。

具体的には、音声教材が活用できていなかったこと。単語の習得量は時間に比例するため、音声教材を使ってスキマ時間を使わないと十分な勉強時間が確保できません。

あとは、すべての単語のスペルを覚えようとしていたこと。スペルを覚えることは永田式英語でも推奨していますが、すべての単語のスペルを覚えようとすると時間がかかりすぎてしまいます。長文をスラスラ読めるようにすることが最優先の目標なので、全ての英単語のスペルをきっちり覚える必要はありません。意味が思い浮かばなかった単語のみをスペル練習します。この練習は、スペリングを完璧にするのが目的ではなく、長文中に出てきた時、確実に認識できるようにするのが目的です。

スペルを完璧に覚えるのはネイティブでも簡単ではありません。日本語で例えるならば、すべての漢字を書けるようにするようなものです。当面は、必要な単語に絞って覚えるようにしましょう。

。この2点を修正したら進むようになりました。

あとはありがちな失敗は、瞬間的に意味が浮かぶように訓練していない場合。悩みながら覚えると、言葉としてではなく知識として覚えてしまうため、実戦では使えません。悩んでいる時間が無駄になるので、覚える効率も悪くなります。音声教材を活用することでも回避できます。

覚え方を修正してあげると、学習効率が上がり、モチベーションも上がるため、急速に進むようになります。

先入観に注意

英単語は覚えられないと思い込んでいる生徒さん、覚えてもすぐに忘れてしまうと思い込んでいる生徒さんが多数を占めています。今回、あまり進まなかった生徒さんも、「覚えてもすぐ忘れてしまう」と思っていたようです。

「今まで覚えた単語もたぶん忘れている」と言っていたので、試しに、2週間前に覚えてもらった単語約200個を復習してもらったところ、定着率は99%でした。

これには本人も驚いていたようです。「永田式最速英単語記憶法」は速く覚えられるだけでなく、一度覚えたら確実に定着する方法です。

「どうせ覚えられない」「覚えても忘れる」という先入観があると単語学習は進みません。単語学習は生徒さんにかなりの負荷がかかりますので、成功するかどうかはモチベーションが維持できるかどうかにかかってきます。

次回、英検指導(準2級、2級)です。