関係代名詞の正しい読み方(永田式長文読解8)

永田式英語長文直読直解法とは、英語と日本語の本質的な違いと、ワーキングメモリの使い方に注目した画期的な英語の読み方で、速く、正確に、書いてある内容をはっきりとイメージしながら読めるようになります。

前回は、高校入試の長文を例に読み方の解説をしました。今回は、苦手に感じる人も多い関係代名詞についてです。前から読んでいけば関係代名詞も怖くありません。

関係代名詞は英語の代表選手

前からイメージしながら読んでいく英語の特徴を、最もよく表しているのが関係代名詞です。関係代名詞を正しく理解すれば、英語の神髄を理解できたと言っても過言ではありません。

関係代名詞には中学校で習う制限用法と、高校で習う非制限用法があります。制限用法と非制限用法の違いは文法の参考書にも書いてありますが、違いがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。わかりにくくなってしまう原因は、中学校で習う時に、間違った教えられ方をしているからです。

関係代名詞の制限用法(中学で習う用法)

関係代名詞は「2つの文をくっつけた文」だと習った人が多いのではないかと思います。確かに、文法的に解析するとそうなっています。文法中心の日本の英語教育ではそう教えるしかありません。しかし、関係代名詞は単に二つの文をくっつけるための文ではありません。前から順に読んでいった時に、足りないイメージを完成させるために使う文です。つまり、前から読んでいかないと、文章を書いた人の正確な意図を読み取ることができません。

例えば、

The boy is Yoshihiro.
【その少年はヨシヒロです】

という文があったとします。しかし、その場に少年がたくさんいた場合、「その少年」だけでは人物が特定できないため、どの少年がヨシヒロなのかわかりません。

The boy who comes from Kagoshima is Yoshihiro.
【その少年 どの少年かというと 来ている 鹿児島から は ヨシヒロです】

というように、関係代名詞を使えば、たくさんいる少年の中から「鹿児島から来た少年」として、ヨシヒロを特定することができます。関係代名詞は、補足説明をするために使われているわけではありません。その場に少年がたくさんいて、どの少年かを特定しなければいけないので必要だから使われています。

この文を提示した場合、その場に少年が複数いて、聞き手は「少年の中に鹿児島から来た少年が混ざっている」という事実は知っていることが前提になります。

学校で習った訳し方だと、「鹿児島から来たその少年はヨシヒロです」となりますが、この訳では、その場にいる少年が一人なのか複数なのかわかりません。聞き手に「少年の中に鹿児島から来た少年が混ざっている」ことが前提となっているかどうかも関係ありません。

関係代名詞の非制限用法(コンマつきの関係代名詞)

少年を特定する必要がない場合は、関係代名詞の非制限用法を用います。

The boy, who comes from Kagoshima, is Yoshihiro.
【その少年 (彼は 来ている 鹿児島から)はヨシヒロです】

この場合、その場にいる少年は自動的に一人となります。複数いたとしても、the boy だけで特定できる状況です。

一夫多妻制?

違いがはっきりわかる例を示してみます。

I have a wife who lives in Kobe.

直訳すると、「私には神戸に済んでいる妻がいます」になります。妻が神戸に住んでいる状況として、別居か単身赴任が考えられますが、特におかしな文ではありません。

しかし、前から置き換えていくと、、、、

【私には ある妻がいる どの妻かというと 住んでいる 神戸に】

文法的にはおかしくないですが、状況を考えるとちょっと変です。I have a wife. としただけでは wife を特定できないために関係代名詞の制限用法を使っているということになります。つまり、特定できないということは、「私」には妻 がたくさんいるということになります。

コンマをつけて非制限用法にすれば妻は一人(単身赴任)になります。

I have a wife, who lives in Kobe.
【私には 妻がいる。その妻は 住んでいる 神戸に】

妻は一人しかいないのでI have a wife. だけで完結しているけど、補足説明としてwho lives in Kobe を付けたしいています。

コンマのない which, who が出てきたら、「どの~かというと」というように置き換え訳をしていき、コンマ付きならば、「その~は-だ」というように置き換え訳をしていけば制限用法、非制限用法の違いがはっきりと区別できます。

長々と説明してきましたが、関係代名詞は、前から読んでいき、置き換え訳を使いわけることによって簡単に区別できます。

住んでいた少年?

限定用法の使い方がよくわかる例をもうひとつ紹介します。ハリーポッターの原作、第一作、第一章、第一節のタイトルは、

THE BOY WHO LIVED

ですが、直訳すると「住んでいる少年」となってしまいます。live の本来の意味は「生きる」なので、「生きていた少年」となるかもしれません。しかし、少年が生きているのは当たり前の話なので、物語内のタイトルとしては???となります。

前から順に置き換え訳をしていくと、

【その少年 どの少年かというと 生きていた】

となります。「生きていなかった」人たちがたくさんいるということを暗に示していることになり、意訳をすると「生き残った少年」となります。実際に、日本語版のタイトルはこうなっています。

ネタばれになるので詳しくは言いませんが、物語の内容を知っている人なら納得のタイトルです。




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