今週は、初顔合わせの生徒さんを4人指導しました。中2生、中3生、浪人生と高校生です。中学生から高校生まで、レベルにかかわらず指導内容はほぼ同じです。短期間で英語をスラスラ読めるようにすることを目標にしています。

長文の読み方の説明

簡単な自己紹介をした後、すぐに永田式直読直解法の説明を行います。高いお金を払って来てもらっている生徒さん達なので、1分1秒も無駄にできません。

生徒の理解力に合わせて、理論を詳しく説明します。単語ごとに日本語に置き換えて読んでいくだけなので、やり方を教えるだけなら一瞬で終わりますが、本人が納得しないと元のやり方に戻ってしまう可能性があります。納得してもらうまで、丁寧に、詳しく、理論的に説明します。

内容は、永田式直読直解法の記事そのままです。ブログ記事だと長いですが、ポイントを抑え、相手の反応を見ながら図を書いて説明するので10~15分ほどで説明が終わります。

長文読解の実演

中学生なら教科書、夏休み以降の中3生と高校生、浪人生は東京都の公立高校の過去問の長文を一緒に読んでいきます。

わからない単語がある場合は、その場でノートに単語リストを作らせます。

単語力に問題がなければスラスラ進みます。

単語力が足りない!

実際には、単語力が足りていないケースがほとんどで、2年以上英語を勉強していても、here、there、their、them などの基本単語が定着していません。

この状態で英語を教えても、ザルで水を汲むようなものです。

おそらく、中学校の先生は現状を理解していません。中学校の先生が想定しているより、生徒の単語レベルははるかに低いです。

授業時間の半分を単語学習に当てるだけでも、英語力はかなり改善するはずです。ちゃんと単語を覚えさせている先生はかなり少ない印象です。

残念ながら、これが日本の英語教育の現状です。税金の無駄遣いですね。

ちなみに、、、、塾の指導時間中に単語ばかりやっていると、単語は宿題でやらせろと塾長に怒られます。(そのような塾へ行かせてもお金の無駄です。)

英単語の覚え方を教える

単語リストを作ったら、英単語の覚え方を指導します。通常は、やり方だけ教えて理論は次回指導に回します。

今日の生徒さんは理解力が高かったため、理論も一緒に教えました。内容は、最速英単語記憶法そのままです。メモ帳とノートの違い、ノートに記憶させる方法、反応速度、CDの活用方法をポイントを絞って10~15分程度で説明します。

再び長文へ

英単語を覚えたところで、もう一度長文(もしくは教科書)を読んでもらいます。時間を測って黙読してもらいます。3~4回黙読すれば、日本語への置き換えをしなくても、英語のままスラスラ読めるようになります。英単語を覚えたら、それだけで長文がスラスラ読めることを実感してもらいます。

時間に余裕があれば、音読の練習もします。最近は音読が流行っており、やたらと勧める先生がいますが、長文読解のトレーニングとしては不適切です。音読するより黙読の方がはるかに効率がよいです。もちろん、音読にもメリットがあるので音読もしっかりやります。

長文を英語のままスラスラ読める体験をしてもらうことで、英語に対する抵抗感を極限まで減らすことができます。そして、「単語さえ覚えれば」を連呼して、やる気を引き出します。

長文を読むことそのもは簡単なので、あとは単語を覚えてもらうだけです。

次回以降

中学1、2年生

次回以降もやり方はほぼ毎回同じですが、テスト対策として、ワークや教材に載っている例文を暗記してもらいます。問題集を解くのは時間の無駄なのでやりません。提出義務があるワーク等は、答えを横に置かせて、わからなかったらすぐに赤ペンで写すように指導してます。まともにやっていたら、例文暗記の時間が確保できなくなります。

週1回の指導のみ、かつ、復習を全くやってこない生徒さんは、成果が出にくいです。1週間経つと、ほとんどすべての英単語を忘れてしまっています。このような生徒さんは、学校の授業より先に教科書を進めて、授業中に単語の復習ができるようにし、少しでも英単語が定着しやすくなるように工夫します。

単語をしっかり覚えてきてくれる生徒さんは、次の定期テストから英語の成績が劇的に上がります。

中学3年生

基本的には、長文読解のトレーニングを続けます。設問を解く練習をしても読解力は上がらないので、本文を読むことに集中します。

生徒の状況に応じて、単語帳(キクタン)を家でやってくるように言います。ただし、やってこない生徒さんの方が多く、指導時間のほとんどを単語学習に当てるということもよくあります。単語学習は、よほど勉強好きでない限り自力では続きません。

家でしっかり単語を覚えてきてくれる生徒さんの場合、数日から数週間の間に、自力で長文読解ができるようになります。ここまで来れば、塾で長文指導をする必要がなくなります。

長文がスラスラ読めるようになった生徒さんは、例文暗記、英作練習へと進みます。例文暗記は、やり方を教えれば自力でやれるので、こちらから指導することはほとんどなく、見守るだけです。英作文は入試問題の傾向に合わせてトレーニングをします。

ここまできっちりこなしてもらった生徒さんは、入試当日90点以上取れます。

高校生

中学英語の例文暗記の後に高校レベルの英語へ進みます。

キクタンbasicとリーディングの教科書の読み込みを行います。単語のレベルを抑えつつ、質の高い文章となると教科書がベストです。

 

ある程度単語力がついたら、教科書を辞書を引きながら自力で読めるようになります。

生徒の観察

初回指導において、生徒の能力を把握するのは大切です。主にチェックする項目は、「現在の単語力」「記憶力(暗記力)」「反応速度」「ワーキングメモリ」です。

今日の生徒さんは、

高校生のAさん
単語力:中1程度
記憶力:普通
反応速度:英語、日本語共に非常に遅い
ワーキングメモリ:普通

高校生のBさん
単語力:中2程度
記憶力:暗記力が極めて高い
反応速度:英語には反応が遅いけど、日本語には速い。
ワーキングメモリ:普通

でした。反応速度が遅い生徒さんはかなりハンデがあります。

成果

こんな感じでかなり適当な指導ですが、私自身、目を疑うような成果が出ます。

4月から教えている中3の生徒さんは、週1の指導を2ヵ月しただけで、模試で60点台取っていました。他の教科は10~40点台なので英語だけ突出しています。

特に英語好きな生徒というわけでもなく、家で勉強をやってきた形跡はありません。ただ長文の読み方を教えただけです。文法力はゼロに近い生徒さんです。

学校の定期テストで、普段60点くらいの生徒さんが、いきなり100点を取ってきたこともあります。特別優秀な生徒ではありません。

私の指導が素晴らしいのではなく、日本の英語教育が間違っているだけです。周囲の中学生の英語の成績があまりに低いので、語学教育として正しい教え方をすると、とんでもない結果が出てしまうのです。スーパー教師が教えたとしても、数時間指導しただけでこの結果はあり得ません。

日本中の中学の英語教育をこの方法に切り替えれば、1ヵ月で平均点が20点程度上がるのではないでしょうか。ただし、英語教師からしたら非常識極まりない教え方で受け入れられないでしょう。

私からしたら、文法中心、和訳中心の現状の教え方の方が異常です。暗号解読の授業になっています。これでは生徒がついていけるはずがありません。




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