最速英単語記憶法とは、脳のメカニズムに着目した最も効率がよい英単語の覚え方で、暗記が苦手な人でも確実に英単語を覚えることができます。

前回単語を覚える能力に個人差はあまりないというお話をしましたが、納得できない人も多いと思うので詳しく解説します。

英単語を覚えるのに必要なのは暗記力ではない

英単語学習は、「絶対に覚えられる」という確信がないと失敗してしまうので、ここの記事をよく読んで納得してから単語学習に取り組むようにしましょう。

実際、暗記力にはかなり差があります。皆さんが経験している通り、覚えるのが得意な人、苦手な人は確かにいます。急きょ決まった舞台の代役で、2日間でセリフを覚えてしまった女優さんもいます。

暗記力には、確かに個人差があります。
しかし、英単語を覚えるのに必要なのは暗記力ではありません

頭の中にあるメモ帳とノート

頭の中にはメモ帳とノートがあります。

メモ帳は、その日1日の出来事をメモする場所です。
ノートは、その日の出来事を記録に残しておく場所です。
メモ帳の内容は、翌日には消去されてしまいます。
不便に思うかもしれませんが、もしメモ帳が毎日クリアされなかったら、何も覚えられなくなりまともな日常生活が送れなくなります。

これに対してノートの内容は、一度書き込みされたら簡単には消えません。ただし、全く使われない記憶ならば、少しずつ上書きされて、だんだんと思い出せなくなります。
本当の意味での、「単語を覚えた」というのは、ノートに書き込みされた状態のことを指します。

そして、、、
メモ帳に書き込む能力と、ノートに書き込む能力は全くの別モノなんです。
暗記が得意な人は、決して記憶力が高いわけではありません。
メモ帳に書き込む能力は個人差があっても、記憶力の差はないのです。

暗記力と記憶力が違う理由

実際に英単語を覚える時、メモ帳に記録するための条件と、ノートに書き込まれる条件は違います。
この条件の違いこそが、多くの人を英単語嫌いにしてしまう原因なとなります。

メモ帳に記録するための条件は「集中力」です。集中力には個人差が大きく、また、覚える対象が好きなものと嫌いなものでも差がつきます。

一方、ノートに書き込まれる条件は「繰り返しの回数」です。回数をこなす必要があるため小手先の記憶術は通用しません。集中力はあまり必要でないどころか、足を引っ張る可能性すらあります。

例えば、「単語を10個覚えてください」と言われたらどうしますか?
ほとんどの人は、集中しながら、もがきながら一生懸命メモ帳に書き込んでいきます。

そして、集中すれば集中するほど、すぐに覚えられるため、「繰り返しの回数」が少なくなってしまいます。暗記には有利ですが、繰り返しの数が減ってしまうので、ノートに書き込みされて記憶に残る確率は下がってしまいます。

暗記力の高い人は英単語を覚えるのに有利と思われがちですが、そうとも言い切れません。実際に、暗記が得意な生徒さんに聞くと、口をそろえて「覚えるのは速いけど忘れるのも速い」と答えてきます。

暗記が苦手でもちゃんと覚えられる

暗記が苦手な人は、時間をかけて、何度も何度も練習して覚えます。
その場で覚えるのは苦手なのですが、暗記のために繰り返し回数を稼いでいるので、ノートに記録される割合が高くなります。「覚えるのは遅いけど、一度覚えたら忘れにくい」というタイプです。

では、どちらのタイプが英単語を覚えるのに有利となるでしょうか?

結局のところ、英単語を覚えるための条件は「繰り返しの回数」なので、
どちらが有利ということはありません。

正しい方法で覚えたならば、英単語力はかけた時間に比例します。

多くの人が単語を覚えるのが苦手と感じる理由はここにあります。

<暗記力が高い人は、、、、、覚えてもすぐ忘れる(と思い込んでいる)
暗記力が低い人は、、、、、そもそも覚えられない(と思い込んでいる)

これらの思い込みをなくせば思いのほか多くの単語を覚えられます。どちらのタイプの人も、単純に英単語を覚えるのにかけた時間が少なかっただけなんです。

単語をたくさん覚えることができた人というのは、このことを意識的もしくは本能的に理解できている人達です。勉強しなくても成績がいい人は、勉強をしていないフリをしながら、裏では、もしくは工夫しながらそれなりの勉強時間を確保している人たちです。

英単語を覚えるのにはやはり時間が必要

英単語を覚えるコツはわかりましたか???
英単語が記憶に残る条件は「繰り返しの回数」です。

忘れてもいいから繰り返す。
覚えられなくてもいいから繰り返す。

たったそれだけです。
単語学習にかけた時間がそのまま単語力になります。

コツはコツコツやるだけという身も蓋もない結論ですが、余計なことを考えなくてもよいので、これまでより格段に効率よく英単語を覚えられるようになります。

まじめに取り組むのが一番早く覚えられるということです。
ただし、無駄な作業は徹底的に排除する必要があります。

繰り返すことで脳の神経細胞のネットワークができあがる

繰り返しの回数が必要な理由は、脳の中の記憶のメカニズムに関係しています。

脳の中には無数の神経細胞がつながりあって、複雑な回路(ネットワーク)をつくっています。脳に同じ刺激を与え続けると、回路が組み変わります。この回路の変化が記憶の正体です。

回路の変化は物理的なものなので、簡単には変化しません。数百回数千回の刺激が必要となります。回路の変化が起こるかどうかは、脳の基本的な構造の問題なので、個人差がほとんどありません。チート的な方法が存在しないのはこのためです。

非常に面倒なシステムになっていますが、、、、、このシステムはとても重要なもので、人間を人間らしくしているシステムなんです。

例えば、友達の顔を正確に覚えていなくても、他の人と区別できるのもこのシステムのおかげです。特徴を「なんとなく」覚えているので、眼鏡をかけたり、髪型が変わってもちゃんと区別できます。

このシステムを人工知能に応用したものがディープラーニングと呼ばれるものです。コンピュータの中に仮想敵な神経細胞のネットワーク(ニューラルネットワーク)を構築し、人間には不可能な量の繰り返し数(例えばビッグデータ)をこなして学習させます。

コンピュータが人の顔を区別できるようになったのも、人間の脳のしくみを真似たからです。

次回は、英単語を覚えるのに必要な時間についてお伝えします。




Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA