文法を教えるのは簡単?難しい??

個別指導塾で指導をしていると、一番難しいのが文法の指導です。文法そのものが難しいわけではありません。説明することも、教えることも簡単です。

しかし、指導を受けた生徒さんの文法力はほとんど上がりません。

学校や塾での授業は、文法を理解することと、文法問題の演習に重点がおかれています。この方法だと、文法を理解することはできるかもしれませんが、使いこなすことはできません。

実際の教育現場では、文法を理解できる生徒さんは少数派であり、大半の生徒さんは文法を理解することすら困難です。この時点で半数以上の生徒さんが英語教育から脱落することになります。その後の英語の授業は苦痛でしかありません。

「わかりやすく説明すれば誰でも理解できる」というのは、現実的にはあり得ません。この理屈が通じるのは理解力が高い生徒さんに対してのみです。

大半の先生は、「文法から教えるのが一番簡単だ」と勘違いしており、難易度の高い文法の授業から英語の導入をしてしまいます。実際の教育現場では、論理的に考えることができない生徒さんの方が多く、理屈で文法を教えても効果があがりません。

「一見すると簡単そうに見える文法指導」が英語教育最大の落とし穴です。

まずは文法より大切な英語のルールを体感する

英語には、文法より大切な原則があります。それは、前から読んでいってイメージを変化させていくことです。

まずはイメージの元になるものを提示します。文法用語で主語と言われているものです。

例えば、「I」を提示したとします。頭の中に「私」を思い浮かべます。

次に、その「I」を動かします

例えば、I went とすると、頭の中の「私」がどこかへ向かって歩き出します。文法用語で、動詞と言われているものです。

「to the station」を付け加えると、「どこかへ向かって動いている私」が「学校へ向かっている私」に変化します。補足説明を付け加えるたびに、イメージがはっきりと具体的なものになっていくのが英語の特徴です。そこに文法的解釈が入る余地はほとんどありません。

「前から順番にイメージを積み上げていき、文が長くなっても補足説明を加えているだけ」、と考えれば、英語は恐ろしく簡単な言葉になります。

この、「イメージを変化させていく」というのは日本語にはない特徴です。文法を勉強すれば英語が使いこなせるというのは完全な誤りで、最初にこの、イメージを変化させていく方法を学ぶべきです。

イメージの方法を体感できれば、文法を理解することは格段に楽になります。

塾講師をしていると、「ここはどうしてこうなるの?」という質問を受けることがよくあります。ほとんどの先生は適当に理由をつけて説明するか、そういうものだから覚えて置けと答えます。

しかし、前からイメージする英語の原則を知っていれば、「前から読んでいった時にイメージしやすいから」という説明ができます。実際に指導すると、生徒さんが疑問に思うこともなくなるので、文法に関する質問は激減します。

一見すると矛盾していますが、文法学習をやめると生徒さんの文法に対する理解力が劇的に向上します。

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