前からイメージを積み上げる練習をする

文法の習得に必要なものは、文法に対する理解ではなく、反復練習です。

「前から順番にイメージを積み上げていく」感覚を覚えるためには、並び替えや穴埋め問題は必要ありません。効果が薄いどころか、返り読みをする癖がつく原因になるのでやるべきではありません。

例文暗記、例文暗唱が最も適しています。

学校の課題で出された場合

並び替えや穴埋め問題は、時間の無駄なのでやる必要ありません。しかし、学校の課題などでどうしてもやらなければいけない場合があります。このような場合、隣に答えを置いておいて、わからなければすぐに答えを見るようにします。ただし、出てきた文は暗記するようにします。ワーク等に出てきた例文を暗記することで、テスト対策と文法力強化の両立ができます。

この方法でいきなり100点を取ってきた生徒さんがいます。普段70点くらいしか取れていない生徒さんなので私自身、本当に驚きました。

英作文は最後の総仕上げ

英作文と例文暗記は違います。英作文は、頭を使って論理的に文章を作り出す作業です。これには、「考える力」が必要とされます。一方、例文暗記は、日本語を見て反射的に英語が出てくるようにトレーニングをします。できるだけ考えないようにして英文を作成していきます。日本語から英文を作り出すという点では同じですが、脳の中では全く別のプロセスが働いていることに注意しましょう。

英作文の勉強をする場合、いきなり英作文をやるのではなく、まずは基本となる例文の例文暗記を続け、一通り覚えてから英作文に取り組むようにします。文法の習熟度が低い状態でやっても悪い癖がつくだけなのでやってはいけません。中学英語の例文を一通り覚えたら、簡単な英語表現なら取り組むことができます。

永田式英語では、長文読解、単語学習(発音練習)、例文暗記、英作文練習と学習していきます。3年生の後半から生徒を担当することが多く、週1回の指導で英作文練習までたどり着ける生徒さんは少ないですが、ここまで終えた生徒さんは、入試本番90点以上の安定した成績を修めています。昨年度担当した生徒さんは、1月からの2か月ほどの指導で入試本番98点を記録しています。

英作文は発想力

英作文初心者が英作文を行うためのポイントは、「いかに簡単な文で表現するか」です。難しい表現を持ち出す必要はありません。自由作文なら、「いかに自分の知っている表現に落とし込めるか」で勝負が決まります。英語力というよりは、発想力が必要になります。

英作文を行うための具体的な方法については改めて紹介していきます。

例文暗記の方法

日本語を見ながら英文を書けるようにしていきます。覚え方は、英単語を覚えるのと同じ要領でですので、最速英単語記憶法の記事を参考にしてください。注意する点は、英作文ではないのでなるべく考えないようにすることです。日本語を見たら反射的に英文が出てくるようにトレーニングします。細かい文法ミス、スペルミスがあったらやり直しをします。ここを徹底しないと、効果が半減します。

英単語と違い、一度覚えたならば忘れてもかまいません。同じ文を何度も覚えるよりは、色々な文を覚えた方が英語力が上がります。覚えているかどうかが重要ではなく、覚えるための作業そのものに効果があります。

700~1000文程度の例文を暗記すれば一通りマスターできます。例文が載っていて、かつ、英語の部分を隠せるならどの参考書、問題集を使ってもかまいません。

私が指導に使っていて、確実に成果が出ているものとして「99パターンでわかる中学英語文型の総整理」を紹介しておきます。左側のページには、必要最低限の文法解説が載っているので使いやすいです。


99パターンでわかる中学英語文型の総整理
2009/10/28 学研教育出版
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例文暗記に加えて暗唱をするのが望ましい

今後は受験でも「話す能力」が重視されるようになります。現在の中学生が受験生になるころには受験制度が大きく変わっています。

話す能力を高めるためには暗記だけでなく、暗唱が必要になります。

私も生徒さんにも暗唱を勧めていますが、現在の受験システムには必要ないため、どうしても後回しになっています。塾では、本人もしくは保護者の望まない授業を行うことはできません。

暗記をするだけよりも、暗唱の方が脳に負荷がかかります。その分、効果も高いので例文を覚えたら例文暗唱にもチャレンジしてみてください。

独学で基礎の基礎からやりたい人

例文暗記に取り組むためには、最低限、主語、動詞などの文法用語を理解している必要があります。全くのゼロから英語を勉強するという人は「Hey, English! 改訂版」からはじめてください。日本語での主語、動詞を見つけるところからはじめます。

私の知る限り、英語を最も初歩から始められるテキストです。英語のテストの点が10~40点、主語、動詞と言われてもよくわからない、三単現のsがわからないというレベルの人におすすめです。

こちらのテキストは書店ではあまり見かけないので、店頭で注文するかネットで購入しましょう。クレジットカードを持っていない中高生、大学生にはセブンネットショッピングがおすすめです。

このテキストでは例文暗記をする必要はありません。出てきた例文を音読したり、何度もノートに書くようにします。とにかく英語に慣れるのが目標です。


Hey, English! 改訂版
2012/10 創拓社出版
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