永田式英語長文直読直解法とは、英語と日本語の本質的な違いと、ワーキングメモリの使い方に注目した画期的な英語の読み方で、速く、正確に、書いてある内容をはっきりとイメージしながら読めるようになります。

前回、英語はとても簡単によめる読めるようになるというお話をしました。今回は、日本語と英語の本質的な違いである語順についての記事です。


文法より語順が大切

英語は前から読んでいったほうがいいというのはよく聞きます。一見、当たり前のように思われますが、その本当の理由が語られることはありません。

英語の文法は学校で勉強するけれど、文法より大切な語順の意味については教えられません。目先の文法ばかりに目がいってしまい、より本質的な部分に気が付いていないためです。

日本語と英語を比べて、ただ単に語順が違うだけではありません。英語の語順には、日本人には想像もつかないような重要な意味があります。文法重視の英語教育では、この語順の重要な意味がわからなくなってしまいます。

英語は頭の中のイメージを変化させていく言葉

まずは簡単な例文で説明します。

I went to the school yesterday.

これを英語の語順通り読んでいくと、

【私は 行った 学校へ 昨日】となります。

まず最初に【私】をイメージします。

次に、went まで読むと、【私】が、【(どこかへ向かって)歩いている私】に変化します。

to the school まで読むと、【学校へ向かって歩いている私】に変化します。

言葉で説明するとわかりにくいですが、図に書くとこんな感じです。

「私」のイメージが変化していく

最後にyesterday を追加すると、それが昨日のことだったとして文が完結します。

頭の中のイメージを変化させていくだけなので、文を読み終わった時に「主語はなんだったっけ?」というようなことにはなり得ません。

英語の語順は、イメージの変化をスムーズにつなげていくための語順です。これは文法よりも優先されます。

なぜなら、そうなっていないと脳のワーキングメモリが溢れて読めないからです。(ワーキングメモリについては後ほど解説します。)

日本語は項目を覚えていく言葉

先ほどの例文を日本語に訳すと、「私は昨日学校へ行きました」なりますが、これを前から読んでいく場合、まず、「私」「昨日」の間に何の関係性もないので、別々に覚えることになります。その後、「学校」が出てきますが、これも関係性がないので別に覚えなければいけません。

別々のイメージとして覚えておく必要がある

最後に「行った」という言葉が出てきてようやく3つの言葉の関係が示されます。それまでは頭の中はモヤモヤとした状態が続きます。一文が長ければ長いほどこのモヤモヤが増えていきます。

英語と日本語の決定的な違い

英語と日本語は、ただ単に語順が違うだけではありません。英語は、イメージを変化させていくことができるような語順になっています。日本語は項目を並べただけなので、語順を変えても平気です。

英語は最初のイメージ(主語)を変化させるだけなので、覚える内容は一つで済みますが、日本語では、項目をいくつも覚えなければいけません。

つまり、日本語は、脳にとても負担がかかる言語なのです。

この「覚えておく場所」のことを、心理学の用語でワーキングメモリと呼びます。ワーキングメモリについては別の記事で詳しく説明します。

ワーキングメモリに注目すると、英語と日本語では言葉の性格が全く違うことに気が付きます。これは、表面上の文法の違いより重要なものです。

 




日本語をわかりやすくするには工夫が必要

日本語の場合、「わかりやすい文章を書くならば、一文をなるべく短くしなさい」と教えられます。理由は、一文が長いと覚える項目が増えるため、ワーキングメモリが溢れてしまうためです。

主語が省略されるのも、覚えるべき項目を減らして脳への負担を軽くするための工夫です。話し言葉では、「私は昨日学校へ行きました」ではなく「昨日学校へ行ったよ」の方がイメージしやすくわかりやすい言葉となります。

英語で主語を省略してしまったら、最初に何をイメージしたらいいかわかりません。

英語は一文が長くてもOK

英語の場合、メモリの利用効率がいいため、1文を短くしなければいけないという制約はありません。ネイティブが書いた本物の英語を読んでいくと、長大な文が頻繁に出てきて日本人を悩ませます。

もしこの長大な文を日本語に訳してしまったら、、、、、

正しい日本語なのに意味がよくわからない、という、一見すると不思議な現象が起きます。「わかりやすい文章を書くなら一文を短く書く」ということを教わっていれば何もおかしなことではありません。

このような長い文を和訳すること自体、無理があります。

日本語の優れた点

読みやすさ、イメージの正確さという点では英語が優れていますが、日本語には柔軟性と優れた表現力があります。

そして、語順を変えてもいいということは、「英語の語順であったとしても、日本語として理解することができる」ということを意味します。

これは、我々日本人が英語を学習する上でとても有利な点です。

英語を日本語の延長として読むことが可能になります。

たった1日で英語が読めるようになる理由はここにあります。


次回はワーキングメモリについてお伝えします。





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